オナニーをしているときは気持ちよかったのに、終わった途端、急に恥ずかしくなる。誰かに知られたわけでもないのに、なんだか後ろめたさを感じる。
そんなとき、気になっているのはオナニーそのものとは限りません。性的な欲求を持つこと、自分で快感を得ること、見たものや想像したこと、パートナーがいるのに一人でしたこと。どこに引っかかっているかで、悩みの中身は違います。
オナニーそのものをやめたいのか。それとも、終わったあとに自分を責めることがつらいのか。この記事では、罪悪感がどこに向いているのかを確かめながら、何を変えたいと思っているのかを考えます。
何に対して「悪いことをした」と感じている?

オナニーのあとに罪悪感が残っていても、何を「悪いこと」と感じたのかは人によって違います。
たとえば、次のようなことに引っかかっている場合があります。
- 性的なことを考えたり、快感を求めたりする自分に抵抗がある
- 自分で自分の身体に触れることを、恥ずかしい行為だと感じる
- オナニーのときに見たものや、想像した内容が気になってしまう
- パートナーがいるのに、一人で性的な快感を得ることに罪悪感がある
- 本当は別のことをするつもりだったのに、時間を使ってしまった
- 「今日はしない」と決めていたのに、またしてしまった
どれも同じ「罪悪感」という言葉で表せますが、気になっていることはかなり違います。
たとえば、性的な欲求を持つこと自体が嫌なのであれば、「オナニーをやめる」だけでは、その抵抗感は残る可能性があります。
反対に、オナニーをすること自体には抵抗がなくても、見ていたコンテンツや想像した内容をあとから思い返し、「こんなことで興奮する自分はどうなんだろう」と嫌な気持ちになる場合もあります。
まずは、「オナニーがよくない」とまとめずに、どの部分を思い返したときに嫌な気持ちになるのかを確かめてみると、自分が何に後ろめたさを感じているのかを考えやすくなります。
「女性なのに」と思うことが、罪悪感につながっている?
オナニーそのものより、「女性が自分から性的な快感を求めること」に抵抗を感じる人もいます。これまで性について、「人に見せないもの」「口にしないもの」「積極的に求めるのは恥ずかしいもの」として触れてきたなら、不思議ではありません。
「女性なのに性欲がある」
「自分から性的なことを求めている」
「誰かに求められたわけでもないのに、自分でしている」
こうした部分に引っかかっているなら、気になっているのはオナニーの方法や回数というよりも、「性的な欲求を持つ自分をどう受け止めればいいのか」なのかもしれません。
性欲の強さや、女性が性的な欲求を持つことへの恥ずかしさについては、「性欲が強いのはおかしい? 自分の欲求を恥ずかしいと感じる女性へ」も参考にしてみてください。
パートナーがいると、オナニーに罪悪感を持ちやすい?

恋人や配偶者がいる人の場合、「相手がいるのに、一人でするのはよくないのでは」と感じることもあります。この場合も、気になっていることは人によって違います。
相手以外の人を想像したことが嫌だった。ポルノを見ることについて、パートナーがどう思うか気になる。一人で満たしたことで、相手を拒んでいるような気がする。二人の性生活に不満があるのに、それを相手に話さず、一人で満たしていることが引っかかる。
パートナーがいる人が自慰をすることもあり、オナニーをしたことだけで、相手への愛情や性的な関心がないとは言えません。
ただし、ポルノを見ることや性的な行動について二人で決めた約束があるなら、「その約束に反していなかったか」という問題は残ります。
「パートナーがいるのにオナニーしたから悪い」と決めつけるよりも、自分が気にしているのは、一人で快感を得たことなのか、二人の間で大切にしたかったことなのかを見た方が、自分の迷いに近づきます。
本当にオナニーをやめたい? それとも、自分を責めたくない?
罪悪感が続くと、「もうオナニーをやめよう」と思うことがあります。ただ、「やめたい」と感じたとき、本当にやめたいものがオナニーそのものとは限りません。
たとえば、
- すること自体がもう嫌だから、やめたい
- 回数や使う時間を減らしたい
- 特定の動画やコンテンツを見ることをやめたい
- オナニーはしたいけれど、終わったあとの嫌な気持ちを減らしたい
では、求めている変化が違います。
性的な気分になったときはしたいと思うし、している間も嫌ではない。それでも終わると、「こんなことをする私は、おかしいのかもしれない」と自分を責めてしまう。そうであれば、困っているのはオナニーそのものより、自分を責めてしまうことなのかもしれません。
回数よりも、何を目安に考える?

「回数や使う時間を減らしたい」と感じているなら、回数そのものだけでなく、今の生活にどのような影響が出ているかも見ておきたいところです。
オナニーを何回したら多すぎるのか、気になる人もいるでしょう。国際性医学会(ISSM)がWeb上で公開しているQ&A「What is the “normal” frequency of masturbation?」では、「自慰の頻度に一律の基準はなく、毎日する人もいれば、週にする人、ほとんどしない人、まったくしない人もいる」と説明しています。
一方で、仕事や睡眠、日々の予定をたびたび後回しにしてしまう。減らしたいと思っているのに、自分では調整しづらい。身体に痛みや傷が出ても続けてしまう。行為そのものや、その後の罪悪感によって生活がかなり苦しくなっている。
ISSMも、前述した記事で「自慰が強迫的になって仕事や社会生活、人間関係に影響したり、性器に刺激や痛みが出たりする場合には、医療者やセックスセラピストへの相談」を勧めています。
回数そのものよりも、日常生活で実際に困っていることがあるかどうかが、オナニーを今後どうするか考える目安になります。
罪悪感で強く落ち込む状態が続いたら、どうする?
オナニーのあとに強い自己嫌悪が続き、性について考えること自体が苦痛になっているなら、自慰の回数だけの問題として考えない方がよい場合もあります。
特に、「こんな自分はおかしい。消えてしまいたい」「自分を罰したい、傷つけたい」といった気持ちまで出る場合は、「オナニーをやめれば済む」と抱え込まず、こころの悩みを相談できる医療機関や公的な相談先につながることも考えたいところです。厚生労働省も、こころの悩みについて医療機関や公的な相談窓口を案内しています。
相談するときも、「オナニーをやめたい」と結論を決めておく必要はありません。「性のことを考える自分に嫌悪感がある」「やめたいのかどうかも、自分では分からない」など、今感じていることをそのまま伝えれば十分です。
「またしてしまった」と思ったとき、何を考える?
オナニーをしたあとに罪悪感が残ると、「もうやめた方がいいのかも」と考えることがあります。
でも、オナニーをしたという事実だけでは、自分が何に困っているのかまでは決まりません。オナニーをすること自体が嫌なのか、それとも、終わったあとに自分を責めてしまうことがつらいのかでも、求めているものは違います。
次にまた後ろめたさが残ったとき、「またしてしまった」という言葉だけで片づけず、自分は何がいちばん嫌だったのかを考えてみる。そして、オナニーそのものをやめたいのか、別の何かに引っかかっているのかは、そこから考えても遅くありません。
あわせて読みたい
