キスやハグは嫌いではない。でも、相手に顔を見られながら触れられたり、思わず声が出そうになったりすると、急に恥ずかしくなってしまう。
セックスをしたくないわけではないし、相手のことが嫌なわけでもない。それなのに、感じている自分の姿や、自分にも性的な欲求があることを知られるのは、どこか落ち着かない。
「セックスが恥ずかしい」といっても、裸を見られること、自分の反応が伝わること、自分から求めることでは、気になっているものが違います。
この記事では、恥ずかしさをなくしたり、色気として利用したりするのではなく、「自分は何を見せることに戸惑い、どんな関わり方なら心地よくいられるのか」を考えます。
セックスで何を「恥ずかしい」と感じている?

セックスが始まると恥ずかしくなってしまうとき、最初に思い浮かびやすいのは、裸を見られることです。
明るい場所で身体を見られたくない。胸やお腹、体毛など、気になる部分に視線を向けられると落ち着かない。服を着ているときには気にならなくても、何も隠せない状態になることに抵抗を感じる人もいるでしょう。
裸を見られることへの抵抗が大きい場合は、「裸を見られたくない。恋人にも見せたくないのはおかしい?」も参考にしてみてください。
ただ、セックスの恥ずかしさは、身体の見た目だけでは説明できないこともあります。
着替えやお風呂では裸を見られても平気なのに、セックスになると顔を隠したくなる。身体を触られることは嫌ではないけれど、自分が感じていると相手に気づかれると恥ずかしい。そうであれば、気になっているのは裸そのものより、「性的な場面にいる自分を相手に見られること」なのかもしれません。
「感じている自分」を見られるのは、なぜ恥ずかしい?

普段の会話では、自分の表情や声をそれほど意識しないのに、セックスになると急に気になることがあります。
変な表情になっていないか。声が大きくなったらどう思われるか。気持ちよさそうな顔をしていないか。身体が反応したことまで気づかれたら、どんな顔をすればいいのか。そう考えると、相手と目を合わせられなくなったり、布団で顔を隠したくなったり、声を出さないように意識したりする人もいるでしょう。
普段は、自分が何を感じているのかを、言葉や表情である程度調整できます。けれど、セックスでは、声や表情、身体の動きが思ったより先に出ることがあります。自分では隠しておきたい反応まで相手に伝わるように感じると、それが恥ずかしさにつながることもあるでしょう。
そのため、声をこらえたり、顔を隠したり、相手と目を合わせないようにしたりする人もいます。ただ、反応を隠すことにも、反対に堂々と見せることにも、「こうするのが正しい」という基準があるわけではありません。
大切なのは、どのくらい見られると落ち着かなくなるのか、どこまでなら身構えずにいられるのかを知ることです。顔を見られるのは平気でも声を聞かれるのは恥ずかしい、目を合わせるのは苦手でも触れられること自体は心地いい、というように、気になるところは人によって違います。
自分から求めることを、なぜ恥ずかしいと感じる?

相手から触れられることは受け入れられても、自分から動こうとすると恥ずかしくなる人もいます。
自分からキスをする。相手の身体に触れる。セックスに誘う。「そこを触ってほしい」「もう少しゆっくりがいい」と伝える。気持ちよかったと口にする。
こうした行動は、身体を見せることとは少し違います。自分から求めることは、「私はこういうことがしたい」「ここが気持ちいい」と、自分の欲求や好みを相手に見せることでもあるからです。
「自分から求めたら積極的すぎると思われそう」「何が気持ちいいか言うのは恥ずかしい」と感じることもあるでしょう。相手に触れられること自体は嫌ではないのに、自分から何かを求める場面で強く恥ずかしくなるなら、気になっているのはセックスそのものより、自分にも性的な欲求があることを相手に知られることなのかもしれません。
自分に性的な欲求があること自体を恥ずかしいと感じるなら、「性欲が強いのはおかしい? 自分の欲求を恥ずかしいと感じる女性へ」では、欲求を持つ自分への抵抗についてもう少し詳しく扱っています。
したいことは分かっているのに、言葉にするのが恥ずかしいのか。それとも、自分が何をしたいのかを考えること自体に抵抗があるのか。同じ「自分から求められない」でも、どこで立ち止まっているのかは違います。
また、自分の希望には、「こうしてほしい」だけでなく、「そこまではしたくない」「今日はやめたい」といった気持ちも含まれます。セックスを始めたあとでも、途中で気持ちが変わることはあります。
恥ずかしさがあっても、心地よく過ごすには?
セックスを楽しむために、最初から何も恥ずかしがらず、すべてを見せられるようになる必要はありません。
明るい場所では身体を見られたくない。顔をじっと見られると緊張する。声について何か言われるのは嫌。自分から触れるより、まずは相手からゆっくり触れてほしい。そんなふうに、何をされると恥ずかしさが強くなるのか、反対にどんな状況なら落ち着いていられるのかは、人によって違います。
恥ずかしさが強い場面が分かってきたら、その部分の負担だけを減らす方法も考えられます。
たとえば、明るい場所で見られるのが落ち着かないなら照明を暗くする。顔をじっと見られるのが苦手なら、無理に目を合わせようとしない。裸になることへの抵抗が大きければ、最初からすべてを見せることを前提にしない。「見られると恥ずかしい」「まだ自分からするのは照れる」と相手に伝える方が過ごしやすい人もいるでしょう。
どの方法が合うかは、何を恥ずかしいと感じているかによって違います。恥ずかしさをなくすためではなく、自分がその時間を心地よく過ごせる程度まで負担を減らす、という考え方もあります。
恥ずかしさが残っていても、自分はどんな関わり方なら心地よくいられるのかを考えることはできます。「もっと慣れなければ」と自分を変えることだけが、セックスとの付き合い方ではありません。
