付き合い始めた相手と、初めてキスをした。好きな人のはずなのに、唇の感触や舌の動かし方、唾液が気になり、早く終わってほしいと思ってしまった――。
キスを気持ち悪いと感じると、「本当はこの人を好きではないのかも」「相性が悪いのかな」と、相手を思う気持ちまで疑ってしまうことがあります。以前の相手とは平気だったなら、なおさら比べてしまうかもしれません。
ただ、「キスの相性」という言葉には、唇や舌の触れ方、匂い、キスのテンポ、その相手に触れられること自体への抵抗など、いくつもの要素が含まれています。
この記事では、キスの何を気持ち悪いと感じたのかを細かく見ていきます。そして、その違和感が、相手への気持ちや二人の関係についての迷いとどうつながっているのかを考えます。
キスが気持ち悪いのは、相性が悪いから?

キスをして不快に感じたことは、「自分と相手の間に何らかのずれがあった」という手がかりにはなります。ただし、キスで感じた違和感だけで、ふたりの相性まで決める必要はないです。
そもそも、「キスの相性」をひとつの基準で捉えるのは難しそうです。ゆっくり触れるキスを心地よく感じる人もいれば、強めに求められる方が好きな人もいます。短いキスを重ねたい人と、長く深いキスをしたい人では、同じ触れ方でも感じ方が違うでしょう。
「相性が悪いから気持ち悪かった」と考えると、相性そのものが原因のように見えます。けれど実際には、触れ方やタイミングなど、いくつかの違いをまとめて「相性が合わない」と感じている場合もあります。
何が合わなかったのかが分かると、触れ方を変えれば心地よくなりそうなのか、それとも自分には受け入れにくいものなのかも考えやすくなります。
特定の触れ方が嫌だったのであれば、キスの仕方にずれがあったとも考えられます。一方で、触れ方を変える想像をしてもキスをしたくない、その相手に顔を近づけられること自体に抵抗があるなら、キスの仕方だけでは説明しきれない違和感があるのかもしれません。
ここからは、実際にキスの何を気持ち悪いと感じたのか、違和感の中身を見ていきます。
キスのどこに違和感があった?
「キスが気持ち悪かった」と感じても、気になったところは人によって違います。どこに違和感があったかによって、「次はどうしたいか」も変わってきます。
唇や舌の触れ方、強さが合わなかった
唇を強く押しつけられるのが嫌だった。舌の動きが激しく感じた。自分が心地よいと思うよりも、強く、速く触れられているように感じた。
この場合、キスそのものよりも、触れ方や強さ、舌の動かし方に戸惑っていた可能性があります。
「相手のキスが下手だから」「相性が悪いから」と考える前に、自分はどんな触れ方が嫌だったのか、反対にどのくらいなら心地よさそうかを見ると、気になったことが具体的になります。
唾液や匂い、顔の近さが気になった
相手の唾液が自分の口に入る感覚が嫌だった。口や身体の匂いが気になった。息がかかる距離や、顔を近づけられることに落ち着かなさを感じた。
こうした違和感は、キスの動かし方とは少し違います。軽く唇が触れるだけなら平気でも、唾液が増えたり顔が近い状態が続いたりすると、抵抗を感じることもあります。
そのときのキスが嫌だったことを、「自分はキスそのものが嫌いなんだ」と考える前に、唾液なのか、匂いなのか、顔の近さなのかを見てみると、自分が避けたいものを捉えやすくなります。
キスを始めるタイミングや進み方が合わなかった
まだキスをしたい気分ではなかったのに、急に始まった。軽いキスをしていたところから、自分の気持ちが追いつく前にディープキスへ進んだ。途中で少し止まりたかったのに、そのまま続いた。
この場合、嫌だったのは触れ方そのものではなく、自分が望むタイミングやペースと合っていなかったことなのかもしれません。
また、「このまま性的な行為が始まりそう」と身構えたことで、キスを心地よく感じられなかった場合もあります。キスだけをしたかったのか、その先まで進みたかったのかによっても、受け取り方は変わります。
振り返るなら、「そのとき自分はキスをしたかったか」「途中でやめたいと思ったか」「もう少し軽いキスを続けたかったか」も手がかりになります。
キスが合わないなら、別れた方がいい?

キスを気持ち悪いと感じたあと、「この人とは身体の相性が悪いのかも」「付き合ってもうまくいかないのかな」と考えることもあるでしょう。
ただ、キスの仕方にずれがあったことだけで、ふたりの関係全体まで同じように合わないとは限りません。
会話や一緒にいる時間は心地よく、キスについては「もう少しこうしてほしい」と思えるなら、まず気になっているのは触れ方や進め方なのかもしれません。キスで感じた違和感が、そのままほかの触れ合いや性生活にも当てはまるとも限らないでしょう。
反対に、キス以外でも相手に近づかれると身構える。触れられる場面が増えるほど、会いたくない気持ちが強くなる。断ったときの反応が怖く、いつも相手に合わせている。そうした違和感も重なっているなら、キスの仕方だけを変えればよいのか、もう少し広く考えたくなることもあります。
以前の相手とのキスが心地よかったなら、その経験と比べることもあるでしょう。ただ、以前の相手との違いだけで、今の相手との相性が決まるわけではありません。比べることで、「自分はどんな触れ方を心地よいと感じていたのか」が見えやすくなることはあります。
さらに、「この人とだけキスをしたくない」のか、「誰とのキスにも抵抗がある」のかでも、気になることは変わります。
キスだけでなく、ハグや手をつなぐことなど、触れられること全般に戸惑いがある場合は、「スキンシップが苦手かもしれない。触れられることに戸惑う理由と向き合い方」で、触れ合い全体の感覚について詳しく扱っています。既存記事でも、触れ方や相手、タイミングによって感じ方が異なることを整理しています。
次のキスは、どうしたい?

何が嫌だったのかが見えてくると、「次に同じ場面になったらどうしたいか」も考えやすくなります。触れ方を変えてみたいのか、今はキスをしたくないのか、それとも相手との関係そのものが気になっているのか。ここからは、それぞれの場合について見ていきます。
違う触れ方なら、もう一度キスしてみたい
嫌だったのが、唇の押しつけ方や舌の動き、キスの長さなど、特定の触れ方だったなら、「違うキスならしてみたい」と感じることもあります。
その場合は、「もう少しゆっくりがいい」「舌を入れないキスの方が好き」など、自分が心地よいと感じそうな触れ方を伝える方法があります。自分が何を嫌だと感じたのか、どんなキスなら心地よさそうなのかが少し見えていると、希望も伝えやすくなります。
まだ自分の好みがはっきりしないなら、「こうしてほしい」まで言葉にできないこともあります。その場合は、何が嫌だったのかが分かっているだけでも、次にどうしたいかを考える手がかりになります。
今はキスをしたくない
触れ方を変えれば心地よくなるのか、自分でもまだ分からないこともあります。キスを想像すると気が重い、もう一度試したいとは思えない。そんなときは、「今はキスをしたくない」という気持ち自体が、次にどうしたいかを考える手がかりになります。
付き合っていることや、以前にキスをしたことが、次のキスへの同意になるわけではありません。キスが始まってから嫌だと感じたり、途中で続けたくないと思ったりすることもあります。
キス以外の場面でも、相手との関係が気になっている
キスだけが嫌だったのではなく、ほかの場面でも相手との距離に違和感がある場合もあります。
会うことを以前ほど楽しみにできない。キス以外でも触れられると身構える。一緒にいると、自分の気持ちより相手に合わせることが増えている。そうしたことも重なっているなら、キスの仕方を変えることだけでは考えにくくなります。
キスをきっかけに気づいた違和感が、キスだけにあるのか。それとも、相手との過ごし方や関係の中にもあるのか。そこまで見てみると、「相性が悪いのかな」という迷いを、もう少し具体的に考えられそうです。
キスが気持ち悪かった。その感覚をどう受け取る?
好きな相手とのキスで「早く終わってほしい」と感じてしまったら、相手への気持ちまで分からなくなることがあります。
けれど、キスを気持ち悪いと感じたことで見えてくるのは、「ふたりの相性が悪い」という答えだけではありません。自分はどんな触れ方が苦手なのか、どんなタイミングなら受け入れやすいのか、その相手とのキスをもう一度したいと思えるのか。自分の感覚について知るきっかけにもなります。
違うキスならしてみたいのか。今はキスそのものをしたくないのか。あるいは、キス以外の時間にも相手との違和感があるのか。「相性」という一言で答えを出すより、そこまで見つめてみたときの方が、自分自身がこの先どうしたいかを考えやすくなるはずです。
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