セックスに誘えない。自分から「したい」と言えないのはなぜ?

蓋を閉じたピアノと譜面台に開かれた楽譜

恋人と二人で過ごす夜。今日はセックスしたいと思っているのに、自分から「したい」と言い出せない。隣に座って身体を寄せてみても、相手から何もなければ、そのまま眠ってしまう。翌朝になってから、「本当はしたかったのに」と寂しくなる。

セックスしたい気持ちはあるのに、なぜ自分からは誘えないのか。「誘えない」という言葉だけでは、自分が何をためらっているのか、本当は何を求めているのかまでは分かりません。

この記事では、何が誘いづらさにつながっているのかを細かく見ながら、自分が相手に伝えたいことを考えます。

目次

セックスに誘えないとき、何が言いづらい?

自分からセックスに誘えない理由は、ひとつではありません。相手が仕事で疲れているように見えて遠慮することもあれば、いつも相手から誘われていて、自分から誘うことに慣れていない場合もあります。

セックスの間隔が空いて、「今さらどんな顔で誘えばいいのだろう」と戸惑うこともあるでしょう。以前、自分から誘ったときの相手の反応が引っかかっていることもあります。

また、誘おうとした瞬間に、性欲がある自分を見せることが恥ずかしくなったり、断られる場面を想像して言葉が出なくなったりする人もいます。

同じ「誘えない」でも、相手への遠慮なのか、自分から誘うことへの不慣れなのか、欲求を見せる恥ずかしさや断られる不安なのかで、引っかかるポイントは違います。

なかでも、「したいと思っていることを知られるのが恥ずかしい」と感じるなら、自分が「女性から誘うこと」や「性欲を見せること」をどう捉えているかも関係しているかもしれません。

性欲があることや、女性から性的なことを求めること自体に恥ずかしさがある場合は、「性欲が強いのはおかしい? 自分の欲求を恥ずかしいと感じる女性へ」でも、欲求を持つことへの抵抗について詳しく扱っています。

自分から欲求を見せるのは、なぜ恥ずかしい?

「セックスは男性から誘われるもの」「自分から求めると、性欲が強いと思われそう」と感じていると、したい気持ちがあっても表に出しにくくなります。

積極的に誘えば、「欲求不満なのでは」「いつも性的なことを考えているのでは」と思われそうで怖い。そんなイメージが、自分から動くことへの抵抗につながることもあります。自分から「したい」と伝えることを、「性欲をむき出しにすること」のように受け取っている場合もあります。

また、セックスをしている最中に、声や表情を見られるのが恥ずかしいことと、始まる前に自分の欲求を伝えるのが恥ずかしいことも、少し違います。

自分が気にしているのは、性的な自分を見られること全体なのか。それとも、自分から求める立場になることなのか。そこを分けると、何に抵抗があるのかが見えやすくなります。

断られるのが怖いとき、何を否定されたように感じる?

自分から誘えば、相手から「今日はしたくない」と言われる可能性もあります。誘わずにいれば答えを聞かなくていいため、したい気持ちをしまっておく方が傷つかないと感じることもあるでしょう。

断られたときに気になるのは、その夜にセックスできないことだけとは限りません。

「相手は私としたくないのかも」「自分には魅力がないのかも」と、自分自身や二人の関係まで否定されたように感じることがあります。

けれど、そのとき相手が応じなかったことだけでは、何が理由なのかまでは分かりません。疲れている、その日は気持ちが向かない、翌朝が早いなど、タイミングの問題も考えられます。一方で、誘うたびに断られる状態が続いているなら、一度のタイミングだけでは説明できないこともあります。

自分が怖いのは、その場で断られて恥ずかしいことなのか。拒まれることが続き、相手から求められていないと感じることなのか。どちらに近いかによって、相手に確認したいことも変わります。

セックスしたいことと、「相手から求められたい」という気持ちは同じ?

自分から誘えないときは、「セックスがしたい」という気持ちのほかに、「相手から求めてほしい」という思いが含まれていることがあります。

自分から誘って相手が応じてくれれば、したかったことは満たされるのか。それとも、セックスができても、「今回も相手からは誘ってくれなかった」という寂しさが残りそうなのか。ここには違いがあります。

セックスそのものよりも、「相手から求められないこと」がつらいと感じている場合は、「彼氏に求められないのがつらい。女性として見られていない気がするときに考えたいこと」も参考にしてみてください。

相手から誘われることで、性的な魅力を感じてもらえていると思える。恋人や夫婦として、自分に触れたいと思ってもらえていると感じる。自分ばかりが求めているわけではないと分かって安心する。こうした実感を求めているなら、自分から誘う方法が分かるだけでは、引っかかりが残るかもしれません。

反対に、どちらから誘うかにはそれほどこだわらず、二人でセックスする時間を増やしたい人もいます。セックスまでは望んでおらず、ただ抱きしめられたい、ゆっくり触れ合いたいと思っていたことに気づく場合もあるでしょう。

セックスもしたいし、相手からも求められたい。その両方を望んでいることもあります。どれか一つに決めるためではなく、自分が求めているものを分けてみると、相手に伝えたいことが具体的になります。

「どう誘うか」の前に、自分は何を伝えたい?

今夜したいなら、「今日はそういう気分なんだけど、あなたはどう?」と尋ねる方法があります。その場で切り出しにくければ、「今週末、二人でゆっくり過ごしたい」「近いうちに、そういう時間も作れたらうれしい」と、これからの予定として話す方法もあります。

大切なのは、うまい言葉を選ぶことより、自分は何を伝えたいのかを分けておくことです。たとえば、以下のようなことが考えられます。 

  • 今夜、セックスしたい
  • 近いうちに、二人でゆっくり触れ合う時間がほしい
  • セックスの頻度について話したい
  • 自分から誘うのが恥ずかしいことを知ってほしい
  • 自分も誘えるようになりたいが、相手からも誘ってほしい

今夜したいなら、「今日はそういう気分なんだけど、あなたはどう?」と尋ねる方法があります。その場で切り出しにくければ、「今週末、二人でゆっくり過ごしたい」「近いうちに、そういう時間も作れたらうれしい」と、これからの予定として話す方法もあります。

ただし、本当に望んでいるのがハグや添い寝なら、セックスを遠回しに誘うために「くっつきたい」と言うのではなく、そのまま「今日は抱きしめてほしい」「一緒にゆっくり眠りたい」と伝えた方が、自分の希望に近くなります。

雰囲気だけでは意図が伝わらないこともあります。どこかで言葉を添えると、お互いの気持ちを確かめやすくなります。

セックスに誘うことは、その後のすべてへの同意になる?

自分からセックスに誘うことは、「今日はしたい」という希望を相手へ伝えることです。相手が必ず応じるという約束でも、誘った自分が最後まで続けなければならないという約束でもありません。

誘ったあとで気持ちが変わることもあります。セックスには同意していても、特定の触れ方や行為は望んでいないこともあります。一つの性的な行為に同意したことが、ほかの行為への同意になるわけではありません。

誘う側と誘われる側のどちらも、そのときの気持ちを伝えられることが前提です。「誘ったのだから断られてはいけない」「自分から始めたのだから途中でやめられない」と考えると、誘うこと自体が重い決断になります。

誘いは、二人の気持ちを確かめる入口として捉えてみてもいいかもしれません。

その場で誘えないとき、別の時間なら話せる?

セックスしたいと思ったその場で「したい」と言うのが難しいなら、別の時間に、誘うこと自体について話す方法もあります。

たとえば、「私、自分から誘うのがちょっと苦手なんだよね」と伝えるだけでも、自分が毎回言い出せずにいることは相手に伝わります。相手からも誘ってほしいと思っているなら、その気持ちを話してみることもできます。

そこで、すぐに誘い方やセックスの頻度まで決める必要はありません。まずは、自分が言いにくいと感じていることを相手も知っている状態にするだけで、次に「したい」と思ったときの伝え方が変わることもあります。

一方で、欲求を伝えるとからかわれる、自分が断ると相手が不機嫌になるなど、性的な希望や「今日はしたくない」という気持ちを言いにくい関係なら、気になるのは誘い方だけではありません。

「したい」と言えるようになれば、悩みはなくなる? 

セックスしたい気持ちがあるのに、相手から何もなければ、そのまま眠ってしまう。そんな夜が続くと、「自分から誘えないこと」が問題のように見えてきます。

けれど、自分から「したい」と言えるようになれば、すべての引っかかりがなくなるとは限りません。自分から気持ちを伝えたい人もいれば、相手の方から触れてほしい、求めてほしいと思っている人もいます。

自分から誘えるかどうかだけでは、今の引っかかりの中身までは分かりません。

言えないまま相手を待っているとき、自分は何を待っているのか。そこが分かると、「どう誘うか」ではなく、相手にどんな気持ちを伝えたいのかが少しずつ見えてきます。

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この記事を書いた人

都内在住のアラフォー、ライター・編集者。2010年より執筆・編集に携わる。既婚。恋愛や夫婦関係、性のことなどを中心に、「自分がどう感じたか」を大切にしながら書いています。

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