閉経後もセックスはできる? 身体の変化と、今の自分が望む性生活を考える

ガラスの器に置かれた実の付いた枝

閉経してから久しぶりにセックスをしたとき、以前より濡れにくかったり、挿入で痛みを感じたりすると、「こんな風にセックスが変わるのか」と驚くことがあります。

一方で、身体には変化を感じていても、セックスをしたい気持ちは以前と変わらないこともあります。すると今度は、「閉経したのに性欲があるのは変なのかな」と、自分の欲求のほうが気になってしまうことがあります。 

この記事では、閉経後のセックスで起こり得る身体の変化を確認したうえで、今の自分はどんな性生活を望んでいるのかを考えます。

目次

閉経後もセックスはできる?

蓋を開けた木のオルゴールの櫛歯とゼンマイ

閉経したからといって、セックスができなくなるわけではありません。

一方で、閉経後のセックスで痛みや出血があった場合は、すべてを「閉経したからだ」と決めつけることはできません。特に出血があった場合は、性交後であっても産婦人科で原因を確認することが勧められています(出典)。

また、閉経が確認されたあとは自然妊娠することはありませんが、性感染症のリスクは残ります。コンドームの使用など、性感染症を防ぐための対策は、閉経後も別に考えることになります。

閉経後のセックスを考えるときにまず知っておきたいのは、「何歳だからもうできない」という区切りがあるわけではなく、今の身体で何が変わっているのかによって、心地よくできることも変わるということです。

閉経後のセックスで、身体にはどんな変化が起こる?

一部にだけ油を塗って色が深くなった天板

閉経後に「以前より濡れにくい」「挿入すると痛い」と感じる背景には、腟や外陰部の変化が関係していることがあります。

閉経前後は女性ホルモンの一種である「エストロゲン」が低下し、腟や外陰部が乾燥しやすくなったり、性交時の潤滑が少なくなったり、痛みや灼熱感が生じたりすることがあります。こうした症状は、GSM(閉経関連尿路性器症候群)の症状に含まれます(出典)。

たとえば、セックスをしたい気持ちはあるのになかなか濡れない。挿入すると入口が痛い。途中からヒリヒリして続けるのがつらくなる。セックスが終わったあとまで違和感が残る。久しぶりにセックスをしたとき、以前より挿入しづらいと感じることもあります。

濡れにくさそのものや、「したい気持ちはあるのに身体が反応しない」と感じることについては、「セックスで濡れないのは、気持ちが足りないから? 『濡れる』と『したい』を分けて考える」でも詳しく扱っています。 

加齢や閉経に伴って、腟の潤滑が少なくなったり、自然に潤うまで以前より時間がかかったりすることもあります。そのため、「気持ちはあるのに、身体が以前と同じようには反応しない」こともあり得るのです。

ただし、痛みや出血をすべて「閉経したからだ」と決めつけることはできません。特に閉経後に出血があった場合は、性交後であっても産婦人科で原因を確認することが勧められています。(出典)

身体の変化と、セックスをしたい気持ちの変化は、必ずしも同じように起こるわけではありません。

閉経すると、性欲や感じ方も変わる?

注ぎ口から湯気が立ち始めた琺瑯のやかん

閉経後に身体に変化があったからといって、性欲まで同じように変わるとは限りません。

閉経前後には、以前よりセックスへの関心が薄くなったと感じる人もいます。日本家族計画協会の更年期に関する解説でも、更年期に見られる症状の一つとして性欲の減退が挙げられています。ただし、性欲の変化だけで、これからの性生活をどうしたいかが決まるわけではありません。

また、性欲とは別に、「以前より性的に興奮するまで時間がかかる」「オーガズムに達しにくくなった」といった変化を感じることもあります。

閉経後に「以前と違う」と感じても、セックスをしたい気持ち、性的に興奮すること、身体が濡れること、快感を得ること、挿入時に痛みがないことは、それぞれ別です。

セックスはしたいけれど濡れにくい。触れられることは気持ちいいけれど、挿入すると痛い。性的な快感は楽しみたいけれど、以前と同じセックスは求めていない。反対に、身体には特に困った変化がなくても、今はセックスそのものへの関心が薄れていることもあります。

「濡れなくなったから、もうしたくないんだ」「性欲があるから、閉経前と同じセックスをしたいはず」とひとまとめにせず、自分の場合、何が変わっていて、何は変わっていないのかを見ると、今の状態を整理しやすくなります。

濡れにくさや痛みがあるとき、どんな選択肢がある?

閉経後のセックスで乾燥や痛みがある場合は、身体の負担を減らす方法があります。

乾燥が気になる場合は、性交時に潤滑剤を使ったり、日常的に腟用保湿剤を使用したりする方法があります。また、閉経に伴う乾燥や性交痛には医療的な治療もあります。痛みが強い、繰り返す、潤滑剤を使っても痛いといった場合は、婦人科への相談も選択肢のひとつです。

痛みや乾燥には閉経に伴う身体の変化が関係することがありますが、ほかの原因によって性交痛が起こる場合もあります。気になる症状が続くときは、「閉経したから」と決めつけずに医療機関に相談しましょう。

閉経後の性生活を、今の自分はどうしたい?

身体の負担に対処できたとしても、以前と同じセックスをしたいとは限りません。閉経後に自分が望む性生活も、身体の変化とともに変わることがあります。

痛みがなければ、これまでのようなセックスを楽しみたい。挿入にはこだわらないけれど、性的な触れ合いは楽しみたい。キスやハグなど、パートナーと身体を寄せる時間は残したい。反対に、今は性的な触れ合いをそれほど求めていないこともあります。心地よいと感じる形は、人によって異なります。

閉経後もセックスはできますが、閉経前と同じ身体や楽しみ方がそのまま続くとは限りません。これからの性生活は、閉経という区切りだけで決めるものではなく、今の身体や気持ちに合わせて考えていくことになります。

今の身体で負担になっていることと、自分が心地よい、これからも残したいと感じる触れ合いが分かると、閉経前と同じ形に戻ることだけにとらわれず、今の自分に合う性生活を考えやすくなります。

「年齢を重ねたら、夫婦のセックスはいつまで続けるものなのだろう」と気になっている場合は、「夫婦の営みは何歳まで? 続ける・やめるを年齢だけで決めないために」も参考にしてみてください。

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この記事を書いた人

都内在住のアラフォー、ライター・編集者。2010年より執筆・編集に携わる。既婚。恋愛や夫婦関係、性のことなどを中心に、「自分がどう感じたか」を大切にしながら書いています。

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