セックスを断りたい。でも、相手を傷つけたくなくて言えないときに

布を背に、何かをのせて差し出された両手

パートナーから誘われたけど、今日はセックスをしたくないと感じている。でも、そう伝えたら、がっかりされるかもしれない。前に断ったときの気まずい空気を思い出して、言葉を濁してしまう――。

セックスを断るとき、難しいのは「ノーを伝えること」だけではありません。相手を傷つけたくない、嫌われたくない、不機嫌になってほしくない。断ったあとのことまで考えると、したくない気持ちがあっても言い出しにくくなることがあります。

しかし、相手の気持ちを大切にすることと、自分が望んでいないセックスに応じることは同じではありません。

この記事では、セックスを断るときに何が言いづらさにつながっているのかを確かめながら、自分の気持ちをどこまで、どう伝えるかを考えます。

目次

セックスを断りたいとき、何が言いにくい?

窓辺のテーブルに置かれた布の巾着袋

「今日はしたくない」と思っているのに言えないときは、セックスそのものより、断ったあとのことが気になっている場合があります。

相手が寂しそうな顔をするのが嫌。「自分のことが嫌いなの?」と聞かれるのが怖い。以前断ったときに不機嫌になられ、また同じ空気になることを避けたい。恋人や夫婦なら、求められたときには応じるものだと思っている人もいるでしょう。

また、「理由がないのに断るのは悪い」と感じ、疲れている、生理中、翌朝が早いなど、相手が納得しそうな理由を探すこともあります。「なんとなくしたくない」だけでは、断るには不十分な気がしてしまうのです。

こうして見ると、言いにくさの中には、相手を悲しませたくない気持ちだけでなく、不機嫌になられることへの不安や、「恋人なら応じるもの」という考えも含まれています。断り方を探す前に、まず、自分は何を気にして言えなくなっているのかを確かめることが大切です。

「今日はしたくない」と「相手が嫌い」は同じ?

セックスをしたくない日があると、「好きなのにしたくないのは変なのかな」と、相手を好きな気持ちまで疑ってしまうことがあります。けれど、相手を好きなことと、そのときセックスをしたいかどうかは別のことです。

一緒に過ごしたいし、抱きしめられるのは嬉しい。でも今日はセックスまではしたくない。普段は楽しめるけれど、今日は疲れていて気持ちが向かない。たくさんキスはしたいけれど、その先までは求めていない。そんな日もあります。

そもそも、今日に限らず、「最近はセックス自体に気が進まない」ということもあるでしょう。その場合も、「相手を好きではなくなった」と決める前に、セックスそのものが負担なのか、触れられ方やタイミングに抵抗があるのかなど、何が引っかかっているのかを確かめる方が、自分の状態を捉えやすくなります。

相手が納得しやすい理由がなくても、「今日はしたくない」という気持ちは、セックスをするかどうかを決めるうえでの大切な意思です。

相手を傷つけないことは、自分だけの役割?

重ねて置かれた五枚の白い皿

相手を大切に思っているからこそ、できるだけ傷つけずに断りたいと考えることはあります。言い方をやわらかくしたり、「あなたが嫌なわけではない」と伝えたりする方法もあるでしょう。

ただ、どれだけ言葉を選んでも、相手が残念に思ったり、寂しく感じたりすることはあります。相手がどう受け取るかまで、自分ひとりでコントロールすることはできません。

「断ったら傷つけるかもしれない」と考えるあまり、自分が応じることで相手の気持ちを守ろうとすると、「今日はしたくない」という自分の意思は後回しになります。

断るときに考えたいのは、相手を絶対に傷つけない言い方ではなく、自分が今どうしたいのかを、どこまで伝えられるかです。

セックスを断るときは、今の気持ちをどう伝える?

「今日はセックスする気分じゃないから、やめておきたい」

「一緒にいたいけど、今日はセックスはしないで過ごしたい」

「ハグはしたいけど、その先は今日はしたくない」

「理由は自分でもうまく説明できないけど、今日はやめたい」

「今はうまく話せないから、このことはまた落ち着いているときに話したい」

断るときに、相手が納得できる理由をすべて説明する必要はありません。今は何をしたくないのか、どこまでならしたいのか。そのとき伝えられる範囲で、今の気持ちを言葉にします。

また、「あなたが嫌なわけではない」「一緒に過ごしたい」といった言葉を添えるかどうかも、そのときの自分の気持ち次第です。相手を安心させるために、好意を伝える言葉まで必ず用意しなければならないわけではありません。

キスやハグなど、別のスキンシップを提案する場合も、自分がそれを望んでいるときに限ります。セックスを断った埋め合わせとして、別のことに応じる必要はありません。断ったあとにどう機嫌を取るかではなく、自分は今どう過ごしたいのかを伝えます。

同じことで何度も断っているなら、いつ話す?

窓辺のテーブルに置かれたガラスの水差し

一度きりではなく、何度も同じことで迷っているなら、問題はその日の断り方だけではないこともあります。

自分は月に一度くらいで十分なのに、相手はもっと頻繁に求めている。キスやハグは好きだけれど、セックスはそれほど求めていない。夜遅くに誘われることが負担で、別の時間なら気持ちが違うかもしれない。

こうした違いがあるなら、誘われた直後に毎回答えを出すより、セックスをする流れになっていないときに話した方が伝えやすい場合があります。そのときに話したいのは、「何回なら正解か」だけではなく、自分は何を負担に感じているのかということです。

頻度については、既存記事「セックスの頻度に『普通』はある? パートナーとの違いが気になるときに」も参考にしてみてください。

断ると不機嫌になる、何度も迫られるのは「断り方」の問題?

「今日はしたくない」と伝えたとき、相手が残念そうな顔をすることはあるでしょう。したい気持ちが一致しなければ、がっかりしたり寂しく感じたりすることまでは、自分で防ぐことはできません。

ただ、相手が残念に思うことと、その気持ちを使ってこちらの答えを変えさせようとすることは別です。

断ったあとに怒る、無視をする。「好きなら、するのが普通」と言われる。一度断っても何度も求め続ける。「やめて」と伝えたあとも触れ続ける。こうしたことがあるなら、「もっと上手に断ればよかった」と、自分の伝え方だけを振り返る話ではなくなります。

性的な行為への同意は、パートナーどうしであっても、その都度必要なものです。最初はセックスをするつもりだったとしても、途中で気持ちが変わることはあります。

一つの行為に同意したからといって、その後の別の行為にも同意したことにはなりません。また、沈黙や曖昧な返事だけで、同意があったともいえません。

断ること自体が怖い、拒否してもやめてもらえない、断ったあとに強く責められるといった状況なら、問題は「どう言えば角が立たないか」だけではないと言えます。

同意していない行為があったり、怖くて拒否できなかったりした場合は、「自分がうまく断れなかったから」とだけ捉えず、専門の相談先を利用する選択肢もあります。

相手を大切にしたい気持ちと、「今日はしたくない」は両立する?

相手を傷つけたくないからこそ、セックスの断り方を探していることもあると思います。

ただ、考えたいのは「絶対に傷つけない言い方」だけではありません。

今日だけ気が進まないのか。セックスそのものが負担になっているのか。断ったあとの相手の反応が怖いのか。状況によって、言いたいことも、ふたりの間で確認したいことも違います。

相手を大切にしたい気持ちと、今はセックスをしたくない気持ちが同時にあるなら、そのどちらも置き去りにせずにいられる関係かどうかも、これからのふたりを考えるときに目を向けたいところです。

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この記事を書いた人

都内在住のアラフォー、フリーライター。既婚。恋愛や夫婦関係、性のことなど、「自分がどう感じたか」を大事に執筆しています。ホラー映画が好き。

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