スキンシップが苦手かもしれない。触れられることに戸惑う理由と向き合い方

クッションが並ぶ生成りのソファ

手をつなぐのは平気だけれど、ハグをしてほしいとは感じない。自分から触れるのは嫌ではないのに、相手から不意に触れられると身構えてしまう。

そんなふうに、スキンシップに対する感覚は「好き」「嫌い」の二択では分けにくいものです。

親しい相手との触れ合いを心地よく感じる人がいる一方で、相手のことは好きでも、身体を近づけられることに戸惑う人もいます。人前では嫌だけれど二人きりなら平気だったり、手をつなぐのは好きでも性的な接触には抵抗があったりと、心地よい距離も人によって違います。

それでも、恋愛ではスキンシップが愛情表現のひとつとして語られることが多いため、「私はスキンシップが苦手なのかもしれない」「好きなのに触れられたくないのは変なのかな」と、自分の感覚が気になることもあるでしょう。

この記事では、スキンシップが苦手かどうかを判定したり、克服を勧めたりするのではなく、どんな触れ合いに戸惑うのか、その理由や自分にとって心地よい距離を整理していきます。 

目次

スキンシップの得意・不得意に「普通」はある?

ベッドに広げられた毛布とリネン

スキンシップには、手をつなぐ、ハグをする、キスをする、頭をなでる、肩に触れるなど、さまざまなものがあります。

どれを心地よいと感じるか、どれに抵抗を感じるか、どのくらいの頻度を求めるかも人によって違います。

そのため、「恋人なら手をつなぎたいはず」「好きな人とはたくさん触れ合いたいはず」といった基準だけで、自分の感覚を判断する必要はありません。

また、スキンシップが苦手かどうかは、単純に「好き」「嫌い」だけで決まるものでもないでしょう。

好きな相手からのハグは嬉しいけれど、頻繁に身体を触られるのは落ち着かない。キスは好きだけれど、人前でしたいとは思わない。自分から触れるのは平気でも、相手のタイミングで触れられると身構えてしまう。

こうして細かく分けてみると、「私はスキンシップが全部嫌い」というわけではないことに気づく場合もあります。

まずは、無理にスキンシップを好きになろうとするのではなく、自分にとって何が心地よくて、何に抵抗を感じるのかを見てみる方が、自分の感覚を理解しやすくなります。

自分はどんなスキンシップが苦手?

スキンシップに苦手意識があるなら、「私は触れられるのが嫌なんだ」とひとまとめにする前に、もう少し細かく考えてみてもよさそうです。

たとえば、

  • 誰から触れられても苦手なのか
  • 知らない人や、それほど親しくない人から触れられるのが苦手なのか
  • 好きな相手でも苦手なのか
  • 手をつなぐ、ハグ、キス、性的な接触などで違いがあるのか
  • 自分から触れるのは平気なのか
  • 突然触れられることが嫌なのか
  • 人前と二人きりでは感じ方が違うのか
  • 疲れている日など、気分や状況によって変わるのか

「これは好きだけど、これは苦手」という境界線があるのは不自然なことではありません。

恋人同士だからといって、あらゆるスキンシップを同じように心地よく感じる必要も、もちろんありません。

「スキンシップが苦手」という大きなくくりで自分を判断するより、「どんな触れ方だったら安心できるんだろう」「どんなときに嫌だと感じるんだろう」と考えていく方が、自分の気持ちを整理しやすくなります。

スキンシップを苦手に感じるのはなぜ?

窓辺に置かれた引き出しの開いた木箱

「なぜ自分はスキンシップが苦手なんだろう」と原因を知りたくなることもあると思います。ただ、その理由をひとつに絞る必要はありません。

もともと人との物理的な距離が近いことに落ち着かなさを感じる人もいれば、育ってきた家庭やこれまでの人間関係の中で、身体に触れて愛情を示す習慣があまりなかった人もいます。

過去に嫌な触れられ方をした経験がある、相手との関係にまだ十分な安心感がない、触れられるタイミングや場所によって抵抗を感じる、といったことも考えられます。

一方で、はっきりした理由が思い当たらないこともあります。

その場合も、「理由が分からないから大したことではない」「本当は何かトラウマがあるはず」と、どちらかに決める必要はありません。

特に、触れられることへの強い恐怖や不安があり、日常生活や人間関係に大きな支障が出ている場合には、単なる好き嫌いの話とはとらえずに、専門家へ相談することも選択肢のひとつです。触れられることへの強い恐怖は、医療上「接触恐怖」として扱われる場合もあります。

大切なのは、無理に原因を見つけたり、ひとつに断定したりすることよりも、自分にとってどんな距離なら安心できるのかを知ることです。

相手が好きでも、触れられたくないことはある?

スキンシップが苦手な人にとって、特に悩みやすいのがパートナーとの関係です。

「好きなら、触れたいと思うのが“普通”なはず」
「拒んだら、愛情がないと思われそう」
「自分が我慢すればいい」

そんなふうに考えることもあるかもしれません。

けれど、相手を好きな気持ちがあっても、触れられることを心地よく感じるとは限りません。

会話をすること、一緒に食事をすること、そばで過ごすこと、言葉で気持ちを伝えることを、大切な愛情表現だと感じる人もいます。

一方で、パートナーにとっては、触れ合うことが大切な愛情表現である可能性もあります。その場合、どちらか一方が正しいというよりも、心地よいと感じる距離や、愛情を感じるポイントが違っているのでしょう。

「恋人だから」「相手が望んでいるから」と、自分の感覚を後回しにし続けると、かえって苦しくなることもあります。

性的な接触を含め、身体に触れることについては、自分と相手の気持ちが一致しているかを確かめることも大切です。「嫌」「今はしたくない」と伝えることも、お互いが安心して過ごすために必要な意思表示のひとつです。

スキンシップが苦手なことを、相手にどう伝える?

日の差す部屋に置かれた丸テーブルと二脚の椅子

スキンシップが苦手でも、それを相手にどう伝えればいいか分からないことがあります。単に「触らないで」と言うと、相手を拒絶しているように聞こえそうで、不安になるかもしれません。

そんなときは、「スキンシップが嫌い」と大きくまとめるのではなく、何が苦手で、どんな触れ合いなら抵抗が少ないのかを、できるだけ具体的に伝えてみるとよいでしょう。

スキンシップについて、好きなことや苦手なこと、避けたいことをパートナーと話すのも、お互いが心地よく過ごすためのコミュニケーションのひとつです。

たとえば、

「急に触れられるとびっくりするから、先に声をかけてくれると安心する」

「人前で手をつなぐのは苦手だけど、二人きりでハグするのは好き」

「今日はあまり触れられたい気分じゃない」

「長いハグは落ち着かないけど、軽く手をつなぐのは大丈夫」

などです。

「何が嫌か」だけでなく、「何なら心地よいか」まで分かっている場合は、そこも伝えられると、二人にとって無理のない距離を探しやすくなります。 自分でもまだ分からないなら、「どこまでなら大丈夫なのか、自分でもまだ分からない」と、そのまま伝えることもできます。 

スキンシップが苦手なら「克服」した方がいい?

「スキンシップが苦手」と検索すると、「克服する方法」という情報も多く見つかります。

自分自身が「もっと触れ合いを楽しめるようになりたい」と思っているなら、抵抗の少ないスキンシップからチャレンジしてみるのも、ひとつの方法です。 

ただ、スキンシップが苦手だからといって、必ず克服しなければならないわけではありません。

まずは、スキンシップが苦手なこと自体に困っているのか、それとも「好きな相手とは触れ合いたいはず」という周囲の前提に戸惑っているのかを、分けて考えてみるとよさそうです。

自分では特に困っていなかったのに、恋人から「もっと触れ合いたい」と言われて初めて、「自分は普通とは違うのかもしれない」と不安になることもあります。

一方で、自分でもスキンシップを楽しみたいと思っているのに、触れられると身体が緊張してしまい、そのことをつらく感じている人もいるでしょう。

どちらに近いかによって、必要な向き合い方も変わります。

「苦手だから直さなければ」と考える前に、「私は今、何に困っているんだろう」と整理することが、自分に合った距離感を探す入口になります。

自分にとって「心地よい距離」は、どう見つける?

スキンシップが苦手かどうかを、「好き」「嫌い」の二択で判断する必要はありません。

誰とでも気兼ねなく触れ合える人もいれば、大切な相手とだけ、自分が望むタイミングで触れ合いたい人もいます。触れ方によって好き嫌いが変わる人も、日によって感じ方が違う人もいます。

自分の感覚を無視して相手に合わせ続ける必要はない一方で、「私はスキンシップが苦手」という言葉だけで、これから先の感じ方まで決めつける必要もありません。

何が嫌なのか。何なら安心できるのか。どんな相手となら心地よく感じるのか。

今はまだ分からなくても、少しずつ自分の感覚を確かめていくことはできます。

「好きな人なら触れられて当然」「恋人ならスキンシップを求めて当然」といった基準に合わせるのではなく、自分と相手の双方が無理をしなくて済む距離を探していけるとよいでしょう。

スキンシップが苦手だと気づくことは、自分の欠点を見つけることではなく、自分にとって心地よい距離を知るきっかけにもなるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

都内在住のアラフォー、フリーライター。既婚。恋愛や夫婦関係、性のことなど、「自分がどう感じたか」を大事に執筆しています。ホラー映画が好き。

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