友人が習い事や推し活、旅行の話をしていると、「私には趣味と呼べるものがないな」と思うことがあります。毎日がつまらないのは、夢中になれる趣味がないからなのかと考える人もいるでしょう。
けれど、今の生活に足りないと感じているものは、本当に趣味でしょうか。
楽しみに待てる予定がほしい。仕事や家事とは関係のない時間を過ごしたい。人と話したい。いつもとは違う場所へ行きたい。何かをやり終えた手応えがほしい。こうしたものをまとめて、「趣味がほしい」と捉えている場合もあります。
この記事では、毎日の何をつまらないと感じ、今の生活にどのような時間を足したいのかを考えます。そのうえで、自分に合いそうな趣味や過ごし方の探し方を見ていきます。
趣味がないことと、毎日がつまらないことは同じ?

趣味がないからといって、必ず毎日がつまらないわけではありません。
仕事に手応えがある。友人や家族と過ごす時間が楽しい。休日はゆっくり休めれば満足できる。趣味と呼べるものがなくても、今の生活に不足を感じない人もいます。反対に、趣味があっても、予定に追われたり、続けることが負担になったりする場合があります。
そもそも、何を趣味と呼ぶかも人によって違います。
映画やドラマを見る。好きな店へ行く。帰り道に遠回りして歩く。気になる料理をつくる。何気なくやっていて、「この程度では趣味とはいえない」と思っていることもあるでしょう。
趣味は、長く続けていることや、人へ話せるほど詳しいことだけではありません。「趣味がない」と感じたときは、趣味の有無だけでなく、今の生活のどこに物足りなさがあるのかを見てみると、自分が求めているものを考えやすくなります。
毎日の何を、つまらないと感じている?
同じ「毎日がつまらない」でも、気になっていることは様々あるでしょう。たとえば、次のようなシチュエーションが考えられます。
楽しみに待てる予定がない
仕事や家事など、しなければならない予定は入っている。それでも、「今週はこれが楽しみ」と思えるものがないと、同じ毎日が続いているように感じることがあります。
休日になってから何をするか考え、結局はいつもと同じように過ごす。出かけたい気持ちはあっても、目的がないため家を出るきっかけをつくれない。
この場合、求めているのは夢中になれる趣味より、少し先の「楽しみにできる予定」かもしれません。
映画のチケットを取る。行ってみたかった店を予約する。気になる展示を見に行く。一度きりの予定でも、日常に区切りは生まれます。
自分のための時間が少ない
一日の多くを仕事や家事、誰かの予定に合わせて過ごしていると、自分が何をしたいのかを考える機会も減っていきます。
空いた時間ができても、身体を休めたり、たまっていた用事を片づけたりして終わる。休日まで「せっかくならプラスになることをしなければ」と考える人もいるでしょう。
資格の勉強や運動など、将来や健康に役立つものだけを趣味の候補にすると、休みの時間まで課題のようになります。
求めているのが、自分の都合だけで過ごせる時間なら、上達や成果を目指すものより、気が向いたときに楽しめるものの方が合うこともあります。
人と話す機会や、日常とは違う刺激が少ない
一人で過ごすことが嫌なわけではなくても、仕事で決まった人としか話さない日が続くと、日常とは違う会話や関係を求めることがあります。
また、毎日同じ場所を行き来する中で、いつもとは違う景色や体験がほしくなる場合もあります。
趣味がほしいと思っていても、実際に惹かれているのは、共通の話題を持つ人と話せることや、家と職場以外に出かける場所ができることかもしれません。一人で完結する趣味を探すより、人と関われる場や、外へ出るきっかけをつくる方が求めているものに近そうです。
周囲と比べて、自分には何もないように感じる
友人の話やSNSを見ていると、旅行やライブ、スポーツ、食事やお酒などを楽しんでいる人が目に入ります。
そのあとで自分の休日を振り返ると、「何もしていない」「自分はつまらない人なのかもしれない」と感じることがあります。
けれど、人から充実して見える時間と、自分が心地よく過ごせる時間は同じとは限りません。人へ話せる趣味がほしいのか、自分だけが楽しめる時間がほしいのか。そこを分けると、探すものも変わります。
趣味を通して、どんな時間を得たい?

新しい趣味を探す前に、その時間から何を得たいのかを少し切り分けてみます。
一人で何かに集中したい
仕事や日常のことから意識を離し、自分のペースで過ごしたいなら、一人で始めたり止めたりできるものがあります。
読書、映画、ゲーム、料理、写真、イラスト、文章を書くことなどです。家でできるものなら、移動や準備の負担も抑えられます。
上手になることや完成させることが負担なら、短い時間だけ試す方法もあります。趣味として立派かどうかより、その間にほかのことから意識が離れるかが、選ぶ基準になります。
身体を動かして気分を切り替えたい
休日も家にいると、仕事の日との差を感じにくいことがあります。
散歩、水泳、ヨガ、ピラティス、ダンス、ボルダリングなど、身体を動かす過ごし方もあります。
体型を変えることや記録を伸ばすことを目標にせず、外へ出るきっかけや、身体を動かしたあとの切り替えを求めて選ぶこともできます。毎週通うことが負担になりそうなら、都度参加できる教室や一日体験も候補になります。
人と話せる時間や場所がほしい
誰かとの会話や、新しいつながりを求めているなら、習い事やイベント、読書会、ボードゲーム、スポーツ、ボランティアなど、人と接点を持てる場があります。
活動の内容だけでなく、参加者同士が話す機会があるか、一人でも参加しやすいかを確認すると、求めていた時間に近いか判断しやすくなります。
大人数の集まりが合うとは限りません。少人数の講座や、店員と短く会話できる行きつけの店をつくる方が心地よい場合もあります。
日常とは違う体験がほしい
ひとつのことへ詳しくなるより、さまざまな場所や体験に興味を持つ人もいます。
美術館、観劇、街歩き、日帰り旅行、季節のイベント、料理や工芸の一日体験など、一度で完結するものも選択肢です。
毎回違うことを試していると、「趣味が定まらない」と思うこともあるでしょう。けれど、新しい場所へ行くことや、知らないものに触れること自体が好きなら、それが自分に合った過ごし方とも考えられます。
上達や、形に残る手応えがほしい
以前よりできることが増えたと感じたい。つくったものや記録を後から見返したい。
そうした手応えを求めるなら、語学、楽器、料理、手芸、陶芸、写真、園芸など、変化を確かめやすいものがあります。
ただ、早く上達することばかり意識すると、趣味が新しい課題になることもあります。人と比べてどのくらいできるかではなく、学ぶ時間そのものが楽しいのか、完成したものを残したいのか。自分がほしい手応えによっても、選ぶ活動は変わります。
何かを増やすより、まず休みたい
休日はあるものの、平日の疲れを取るだけで終わる。興味のあるものを見つけても、予約したり出かけたりするところまで動けない。
そんなときに予定を増やすと、趣味まで「できなかったこと」のひとつになってしまいます。
今ほしいのが刺激や達成感ではなく、何もしなくてよい時間なら、趣味探しをいったん止めることも選択肢に入ります。
やりたいことが浮かばないとき、どう探す?

「何が好き?」「どうしたい?」と聞かれても、すぐには思いつかないことがあります。そんなときは、好きなものを無理に探すより、どのような条件なら試せそうかを決める方法があります。
たとえば、
- 家で一人でできる
- 外へ出るきっかけになる
- 道具を買わずに試せる
- 月に一度くらいなら参加できる
- 一人でも入りやすい
- 人と話す機会がある
- 一回で完結する
- 使える金額の範囲に収まる
などです。
興味があっても、毎週決まった時間に通うことは難しい。人と話したいけれど、大人数の集まりは疲れる。外出はしたいものの、遠くまで移動するのは負担になる。
こうした条件が分かると、候補を現実の生活に合わせて絞れます。
過去に何かを始めて続かなかった経験も、「自分には趣味が向いていない」という証拠ではなく、条件を知る材料として使えます。
内容は楽しかったけれど費用が負担だった、移動が大変だった、予定を固定されることが合わなかったなど、続かなかった理由によって次の選び方も変わります。
趣味になるか分からなくても、始めてみていい?
何かを始めようとすると、「この先も続けられるか」「お金や道具を無駄にしないか」まで考えて、動きにくくなることがあります。けれど、最初の一回で、今後も続けたいものかどうかを決める必要はありません。
一日体験へ参加する。道具を借りる。気になる店へ一度行く。図書館で一冊だけ借りる。いつもとは違う道を歩く。試してみたあとに考えたいのは、「趣味になりそうか」だけではありません。何がよかったかも、ゆっくりと振り返ってみましょう。
内容そのものが楽しかったのか。家を出る予定ができたことがよかったのか。誰かと話せたことが嬉しかったのか。手を動かしている間、ほかのことを考えずに済んだのか。反対に、移動が負担だった、人が多くて疲れた、時間が長すぎたといった点も、次の候補を探す材料になります。
一度で終わったとしても、自分に合う過ごし方を知る経験にはなります。
趣味を持つことだけが、毎日を変える方法?
「趣味がなくて毎日つまらない」と感じたとき、必要なのは、没頭できる趣味をひとつ見つけることとは限りません。
楽しみにできる予定がほしいのか。自分で選んだ時間がほしいのか。人と話したいのか。日常とは違う体験をしたいのか。それとも、何かを増やすより、今はゆっくり休みたいのか。
何となくスマホを見ながら休日が終わり、「今日も何もしなかった」と思う。そんなときは、趣味の名前を探す前に、自分はどんな時間が増えたら、今より過ごしやすいのかを見てみます。
そこが分かれば、習い事や趣味だけでなく、一度きりの外出や人と過ごす予定、家で楽しむ時間も、自分に合う選択肢として考えられます。
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